STEP03
CAD(Vector Works)から2D図面データを取り込んでモデリングする



■はじめに

今回は、ご自分でCADソフトはお持ちでない場合や、CADで3Dの作業は行わない、という方のために2D図面の利用についてお話ししたいと思います。




■Vector Worksからの2D図面の取り込み(面情報なし)

まずはVector Worksで書かれた図面の場合からです。

この図面は、一般的マンションの平面図ですが、細かい線(家具等)は削除してあります。
このように線分で書かれた図面が一般的と思われます。この場合、STRATA形式での書き出しでは、3D図形しか書き出されないので取り出すことはできません。Vector Worksをお持ちであれば、どんなに簡単でも3D化すれば、STRATA形式で書き出せばいいのですが、そうでない場合も多いかと思います。









この連載用に作成したモデルデータをここでダウンロードできます。
(注意) 下記のデータは、Vector Works 12.5で作成されています。このファイルはSTARTA 3D CXで開くことはできません。

Vector Works データ

STEP03_00A_mcd.zip (12KB) <<<ダウンロードする





■01

Vector Worksからの書き出しは、DXFかEPSFになります。DXFで取り出す場合の設定は、テキスト形式で、バージョンは2000あたりが無難なようですが、上手く行かない場合は他のバージョンもお試しください。

各層としてレイヤーを取り出すか、クラスを取り出すか、図面をどう書いているのかによって異なります。素材別にクラスで分けているような図面ならばクラスを利用できますが、そうでない場合はレイヤーで取り出すことになります。

非表示のレイヤーはいろいろと不要なものがおいてある場合が多いので取り出さない設定にした方がいいでしょう。







■02

書き出したファイルをSTRATAで開きます。ここではファイルメニューの「指定形式で開く」でファイル形式をDXFファイルに設定しています。











この連載用に作成したモデルデータをここでダウンロードできます。

(注意)下記のデータは、Vector Works 12.5で作成されたデータを、「DXF...」形式で書き出したファイルです。

DXF データ

STEP03_02_dxf.zip (12KB) <<<ダウンロードする





■03

取り込む際の設定は右図を参照してください。単位をミリに合わせる(図面がミリならば)、閉じた線セグメントはポリゴンにする、開いた線セグメントも取り出す、レイヤーごとにグループ化する、モデルは上面ビューを基準にする、あたりをおさえてあればいいでしょう。


こうして取り込んだ図面ですが、非常に残念ながら、全く加工に利用できません。
押し出しも、スキンも出来ない、オブジェクトの変換すらできない状態です。

ここからでは、下絵としか利用できません。四角形ツールや、多角形ツールで作成された形状のみ、加工できます。







■04

ここで、Illustratorをお持ちならば、一度DXFファイルを読み込み、Illustrator形式で別名保存します。そのファイルをSTRATAで開けば、今度は加工が可能になります。

Illustrator経由の場合、縮尺がその場合の1:1に変わります。
つまり、50分の1で書かれた図面(Vector Worksで)であれば、スケールは50分の1になります。正しい寸法に直すには、まとめてグループ化したのちに、スケールを5000%にします(1/50の場合)。また、全面ビューで取り込まれてしまうため、90度回転させる必要があります。






この連載用に作成したモデルデータをここでダウンロードできます。

(注意)下記のデータは、Vector Works 12.5で作成されたデータを「DXF...」形式で書き出し、Illustratorで再度読み込んでAIファイルとして別名保存したものです。

Illustrator データ

STEP03_04_ai.zip (164KB) <<<ダウンロードする





■05

こうして取り込んだ図形も、やはり押し出しはできませんが、スキンモデリングは可能です。
これを利用して、まずは正しいスケールに戻した後、天井高さへ複製します。それから分解し、スキンを使って、立体化します。

細かいところはなかなか面倒ですが、正確なモデリングが可能です。













■06

腰高の壁等の場合、四角形、台形くらいしかできませんが、水平方向にスキンすることで、面のポリゴンを作り、さらに押し出しを使うことで、ソリッドな形状を作ることも出来ます。
上に浮いているのが水平方向にスキンして作った四角形を、一度オブジェクト変換(ジオメトリー変換)でポリゴンに変換して、押し出しツールで押し出します。高さはオブジェクトプロパティパレットで正確な高さを入力します。

全ての図形が見えている状態では作業しずらいので、先に、素材別にグループ化し、それぞれのウインドウの中で作成するのがよいでしょう。おおまかなボリュームを正確に作成し、その他はSTRATAで作成するのがいいと思います。







■Vector Worksからの2D図面の取り込み(面情報あり)

Vector Worksで、なんらかの加工はできる、もしくはデータをもらう先に要求できる場合、 すべての面を面ありの多角形で作成しましょう。さらに、素材、高さ別にレイヤにわけておけば なお便利です。











この連載用に作成したモデルデータをここでダウンロードできます。

(注意)下記のデータは、Vector Works 12.5で作成されています。このファイルはSTARTA 3D CXで開くことはできません。

Vector Works データ

STEP03_00B_mcd.zip (12KB) <<<ダウンロードする





■07

STRATAで取り込むと、ちゃんとポリゴンの貼られた状態で取り込めます。さらに、レイヤー分け通りにシェイプに別れるので、立体化も簡単です。押し出しツールで押し出すと、上方向に押し出されるオブジェクトと下方向へ押し出されるオブジェクトがあるのがお分かりでしょうか?

CADで多角形を作成する際に、右回りに作ったか、左回りに作ったかで、面の向きが反対になるからです。一定の方向にそろえて作る癖をつけておくとこんなときに便利かもしれませんが、オブジェクト整列でそろえればいいので、さほど気にすることもないでしょう。























この連載用に作成したモデルデータをここでダウンロードできます。

(注意)下記のデータは、Vector Works 12.5で作成されたデータを、「DXF...」形式で書き出したファイルです。

DXF データ

STEP03_07_dxf.zip (20KB) <<<ダウンロードする





■08

このようにして、比較的簡単に立体モデルを作成することが出来ます。














ですが、なかなか全ての図形を多角形で描く、というのも、難しいかもしれません。そんな場合はやはりIllustratorを経由して取り込むと、面ありの部分はそのまま押し出せますし、線分だけの部分も、上記の方法でスキンモデルで作成可能です。


この連載用に作成したモデルデータをここでダウンロードできます。

(注意)下記のデータは、Vector Works 12.5で作成されたデータを「DXF...」形式で書き出し、Illustratorで再度読み込んでAIファイルとして別名保存したものです。

Illustrator データ

STEP03_08_ai.zip (164KB) <<<ダウンロードする





■Vector Worksからの2D図面の取り込み(曲面の多いデザイン)

次にお話ししたいのが、曲面の多いデザインの場合です。

この図面では一部が円弧を描くだけですが、こういったデザインの図面はDXFで取り込むより、Illustrator経由でないと上手く行かないことがあります。

特に、中央右の円弧を組み合わせた壁面は、円弧をオフセットし、切り欠いて作成した2つの図形を張り合わせ、そのままではエンドが閉じないので、多角形を張り合わせて作成しています。図形としては閉じた面のある曲線になっています。






この連載用に作成したモデルデータをここでダウンロードできます。

(注意)下記のデータは、Vector Works 12.5で作成されています。このファイルはSTARTA 3D CXで開くことはできません。

Vector Works データ

STEP03_00C_mcd.zip (11.4MB) <<<ダウンロードする





■09

こういった図形をDXFで書き出し、STRATAに取り込むと、この図形が消えてしまいます。













この連載用に作成したモデルデータをここでダウンロードできます。

(注意)下記のデータは、Vector Works 12.5で作成されたデータを、「DXF...」形式で書き出したファイルです。

DXF データ

STEP03_09_dxf.zip (12KB) <<<ダウンロードする





■10

また、R部分は押し出しできますが、何故か円弧の大きさが変わってしまったり、弦が出来てしまったりします。















■11

このDXFファイルをIllustratorで開き、Illustrator形式で保存してから開きます。

すると先ほど消えてしまっていた壁面も取り込めます。さらに、円弧で切り欠いた壁面の面もちゃんと取り込めます。Vector Works上で多角形に変換すればDXF形式でも、面を取り込むことが出来ますし、消えた壁もちゃんと取り込めます。

しかし、Illustrator経由では、曲線をそのままベジェで取り込めますので、円弧の部分もきれいにレンダリングできます。これは、Illustrator経由の最も大きい利点ではないでしょうか?







この連載用に作成したモデルデータをここでダウンロードできます。

(注意)下記のデータは、Vector Works 12.5で作成されたデータを「DXF...」形式で書き出し、Illustratorで 再度読み込んでAIファイルとして別名保存したものです。

Illustrator データ

STEP03_11_ai.zip (160KB) <<<ダウンロードする





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