STEP01
レイディオシティでの室内パース


インテリアパース講座 Part1のSTEP10で作成したモデルを使用して、レイディオシティでの設定を練習しましょう。

インテリアパース講座 Part1 STEP10はこちら




■01

まずはレイトレーシングで設定したモデルから、レイディオシティの設定を行います。

レイトレーシングでは、反射光は表現できないため、ダミーの光源を配置して擬似的に表現していましたが、レイディオシティでは基本的に不要になります。

まず、画面上赤い四角のマイナスライトをすべて削除します。いつから修正されたのか不明ですが、指定のシェイプ、テクスチャーを強制的に削除できるようになりました。一括して削除したい場合や、入れ子になっているオブジェクトの階層の深いテクスチャー等、削除するのに非常に便利です。取り消しできないのでご注意ください。また、リソースパレットで「選択範囲を削除」を行ってもプロジェクトウインドウには「オブジェクト」という名前の項目が残ります。シーンに影響は無いようなのですが、あまり気持ちよくありません。一括して削除できるシェイプ等では利用しない方がいいかもしれません。



同様に、床からの反射のダミーライト、床反射ch2400.sshも削除します。

バルコニー床の反射ダミーライトと、グリーン反射は演出上残します。














■02

次に、テクスチャーを修正します。

レイディオシティでは、特に面を発光させたい場合を除いて、グロー値はゼロで設定します。レイトレーシングではこの数値を上げておかないとライトの設定があまりに難しかったのですが、レイディオシティでは発光面という扱いになってしまうため、基本はゼロです。











発光面以外の全てのテクスチャーのグロー値をゼロにします。設定が完了したら、レイトレーシングでレンダリングしてみましょう。

この原稿執筆用に相変わらず遅い iBook G4 (CPU:700MHz、メモリ:640MB) を使用しておりますので、レンダリングは遅いですが、インテルCPUの機種をお使いならば、さほど時間もかからずにレンダリングできると思います。結果ですが、意外に見れる絵になってしまいました。レイトレを基本に考えた部屋なので、床においたスタンドや右奥のアッパースタンド、ダイニングのペンダント、グリーンの疑似反射ライト、バルコニーの床面からの反射のライトが思ったより効果的ですね…。







■03

これではレイディオシティの効果が分かりにくいので、もう少し削除します。

まず、水反射というライト 2 個 ( シェイプになっています ) とグリーン反射 ( 同じくシェイプです ) の3つがバルコニーに設置してあります。これらをプロジェクトウインドウで常時非表示にします。( 後で使うかもしれないので、削除しないでおきます )












■04

次に、室内のパームをダブルクリックして、グリーン反射、のシェイプを同じく非表示にします。

また、ここにはオレンジ色の光を影なしで下からあてていますが、これは削除しましょう。













■05

次にアッパースタンドを編集します。このスタンドにも、3つのライトが含まれていますが、スポットライト-11となっているライトは、天井面からの反射のダミーですので、非表示にします(これもあとで使用する可能性があるので削除せず)ポイントライトもブルーのガラスの反射のダミーですので、非表示にします。

次にダイニングテーブル上のペンダントですが、これにも5個の光源が含まれていますが、結果を分かりにくくする要因になりますので、ポイントライト一つ残して常時非表示にします。








また、窓の外の風景に夕焼けの写真を使っていますので、環境パレットの背景タブでバックを「なし」に設定します。

最後に、光源のアンビエントで、空間の色が暗めのアンバーにしてありますので、これをデフォルトのRGB13に変更します。











また、ダークブルーのディレクショナルライトが設定されていますので、これを非表示のチェックボックスにチェックを入れ、無効にしましょう。














さて、これでやっと期待通りの暗い絵が出来ました。















さすがに天井からの灯が弱すぎるので、ベースライトCH2400(シェイプです)の明るさを30から80に設定します。














レンダリング結果(レイトレーシング)は右図のようになります。
















■06

次にレイディオシティでレンダリングしてみましょう。

レンダリング設定は右図のようにします。反射を3回に設定した、前回の設定と同じです。iBOOK G4では相当な時間がかかってしまいますが、同じファイルでMAC PRO(2.8GHz 8CPU)の場合、7分30秒程度でした(ちょっと長いですね)











しかし、8CPUを使用しても、4CPUと比較してあまり早くなっていません。レンダープロをお持ちでしたらば、サスペンドして、同じパソコンで同時にレンダープロを立ち上げて裏でレンダリングさせたほうが効率がいいですね。

それにしてもこの程度で7分はかかりすぎですね、せめて2分くらいにしたいところです。モデルも多少細かいですが、このくらいにはなってしまうと思いますので、レンダリング設定を見直していきます。









■07

分かりやすいところで、レイディオシティライティングサンプルの値を100から40に下げます。また、ソフトシャドウサンプルを50から20に下げます。

これだけで、3分ぴったりになりました。このサイズの画像ならさほど差はありません。天井面のムラが若干増えた程度で許せます。
(画面上のレンダリング時間はiBOOK G4でのレンダリングです。20倍の時間がかかっています)













■08

別のアングルも試してみます。07の設定のまま、レンダリングします。

こちらのアングルの方が、天井のムラが酷いです。また、壁と天井のつながりの陰影もおかしくなっています。













プレビューではこのくらいにして、仕上げのときはもう少しレイディオシティライティングサンプルを上げた方がよさそうです。

レイディオシティライティングサンプルを200にしたレンダリング画像です。レンダリング時間はMAC PROで11分ほどです。












■09

さて、ダイニングのペンダントですが、少し天井面に光がいく器具なので、やはり内部にダミーのライトを仕込みます。

最初から含まれていたライトのうち、上向きのスポットライトを非表示から表示に変えます。影なしのスポットライトです。

最初の設定では光が広がり過ぎなので、スポットライト角度を30度に、明るさも80%に上げました。








最初のアングルもレンダリングしてみます。
















■10

ここで、この室内は夜なのか?というと、特に夜を意識してはいませんが、夜っぽいですね。レイディオシティでは、背景の色もレンダリング画像に 影響します。ここで、背景をデフォルトの白にかえてみます。レンダリング設定は右図のようになっています。













この状態で他にはなにもいじらずにレンダリングした結果がこちらです。

背景の白がドームライトのように作用して、開口部全体から光が入るようになります。















■11

このままでも昼っぽいですが。もう少し明るくしたいですね。ベースライトを80から100%に上げます。さらに、窓から太陽の光が入るように見せるため、ディレクショナルライトを100%に、色を白に戻して、非表示のチェックを外して有効にします。

さらに、カーテンを非表示にしました。また、バルコニーの青いタイルと水はちょっとあんまりなので、白に変更します。










こい焦げ茶の床ではこれ以上壁と天井を白く表現するのは難しそうです。次回は素材等も変更して、白い部屋を作ってみましょう。

最初のほうで、あとで使うかも?と非表示にしたライトは結局使っていません。オンにするとどうなるか、興味があればやってみてください。




■12

今回のポイントを整理しておきましょう。


1. ダミー光源は一度全て削除する(もしくは非表示に)。

2. テクスチャーのグロー値はゼロにする(発光面以外)。

3. 反射回数はあらかじめ決めておく。あとから変更すると明るさも大幅に変わるため。

4. レンダリング設定は、プリセットの数値からレイディオシティライティングサンプルを大きく下げ、キャッシュスレッシュホールドの値を
 大きくとってレンダリングしてみてから、時間と仕上がりの奇麗さを比べながら最適値へ。

5. ソフトシャドウサンプルも大きく下げる。あまり目立たずに時間短縮になります。


この連載用に作成したモデルデータをここでダウンロードできます。

( 注意 ) 下記のデータは、STRATA 3D CX 5.5Jで作成されています。

STRATA 3D CX データ

STEP02_12_s3d.zip (59.2MB) <<<ダウンロードする



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