STEP04
CAD(AutoCAD LT、JW-CAD)から2D図面データを取り込んでモデリングする



前回テクスチャーへいきましたが、ちょっと戻りますがモデリング編です。

なぜこの項目を別にしたかというと、CADで作ってSTRATAでレンダリングするというパース屋としては一般的?な順序の場合、モデリングとテクスチャー作成を別々に考えられますが、STRATAでモデリングしていく場合、テクスチャー設定をしながらモデルを作る場合の方が多いのでは?とも思います。また、ソファなどの家具類や小物はSTRATAで制作したほうが効率もいいのですが、そんな場合も一つずつ作りながらテクスチャー設定もしていきます。

というわけで、ここからはモデル作りつつ、テクスチャー設定、というふうに前回、前々回の話をミックスして作業していきます。細かい説明もだんだん省略していきますので、わからなくなったらモデリングの項やテクスチャー作成の項をもう一度見てください。




さて、まずはサッシを作りましょう。前回までは壁がない状態でしたが、サッシを作るとこんな感じです。













■01

作り方はいろいろあるでしょうが、簡単に行きます。まず、大枠の寸法の直方体をサッシの来る場所に置いてしまいます。一度グループ化して名前を付けましょう












■02

その後オブジェクトをダブルクリックします(プロジェクトウインドウの名前をダブルクリックでも同じです。オブジェクトが多くなるとこの方が確実に目的のオブジェクトを選択できます)。
別ウインドウが開いて、目的の部分だけで作業することができます。

このオブジェクトは後に削除します。もちろん、そんな分かりにくいことはしないで元のモデルウインドウで作業しても構いませんが、だんだんオブジェクトが多くなってくると、グループ化するのも大変だったりしますのでこの方法も便利です。








■03

肝心のサッシですが、今回は簡単に直方体オブジェクトだけで作成しました。

かなりの適当さですが、アップにしなければこれで十分です。気合い入れて作成したい方はご自分の家のサッシを参考にしてすんごいのを作ってみてください。センターはガラス一枚で両サイドにガラスのドアを配していますが、ドアも直方体のみで作っています。実際にはもっと凸凹がたくさんあって、ドアの溝やサッシ自体を取り付けるための木の枠が壁との間にあったりします。今回は省略しましたが、完ぺきを期するなら枠も作ったほうがリアルです。





 



■04

さてこのアルミサッシの色ですが、リソースパレットの金属/アルミを色変更します。

まずリソースパレットでアルミをダブルクリックすると、使用中のパレット(上の段)に読み込まれます。サッシの枠部分をグループ化し、選択した状態でテクスチャー/新規/イメージテクスチャーを選択して「サッシ」等と名前を付けましょう。名前のすぐ下のコピー元、というボタンをクリックすると現在読み込まれているテクスチャーの一覧が出ます。先程のアルミ.sftを選択します。さらにカラーをクリックして色を焦げ茶に変更します。










■05

ほんの少し映り込みもほしいので、反射率を10/20に設定します。右上のほうのカメラアイコンをクリックすると変更後のイメージが表示されます。周囲の映り込みはここでは反映されないので念のため。カメラウインドウでレンダリングして確認します。

映り込みを設定すると周りの明るい色が映り込んで明るく見えがちです。もうすこし暗い色に設定したほうがいいかもしれません。









■06

もう一つ、ガラスを設定します。基本テクスチャーの中にもガラスがあります。これを使ってもいいのですが、色が青くなりすぎたりして、なぜかあまりガラスらしく感じません。
私の設定はこのようになっています。

カラーはC0、M0、Y0、K0、つまり真っ白です。 屈折率もガラスの正しい屈折率?1.6では屈折が強すぎるので1.15としています。
反射率もあまり高くするといろいろ不具合がでるので、物件ごとに調節しています。それが正しいアプローチなのかどうかはわかりませんが、参考にしてください。

屈折を設定したテクスチャーでは、オブジェクトがソリッドか否かでかなり見え方が変化します。ソリッドでないオブジェクトでは屈折が有効に働きません。 CAD等でモデリングしたガラス板等に屈折のあるテクスチャーを適用する際にはこの点に注意してください。ジオメトリー変換でソリッドに変換しても、ガラス板の小口の見え方等はプリミティブのオブジェクトやSTRATA上でモデリングしたソリッドオブジェクトのほうがきれいになります。

今回はガラスは外部が見えるだけですが、細部に気を使うときにはSTRATAでモデリングしなおしたほうがいいでしょう。




■07

赤いボックスがテクスチャーの(画像の)基本位置です。

同様にしてもう一ヶ所の窓も作成します。参考にCADでもうすこしまともに作成した窓ですが、ぜんぜん変わらないことがお解りいただけるかと思います。











■08

と、ここまで書いてからテストレンダリングのためにレンダリングの解説を少々。

レンダリングは、モデルウインドウ、カメラウインドウなど、どの段階でもレンダリングできます。
方法はツールパレットの一番下のカメラ(でかい方です)アイコンを選択してレンダリングしたいウインドウをクリック、もしくはレンダリングしたい範囲をクリック/ドラッグで選びます。
即座にデフォルト設定でレンダリングが始まります。
デフォルトでは若干レンダリング品質が低いので、最終レンダリングに近い状態で見るためにはレンダリングメニューからレンダリング開始もしくはshiftキーを押しながらレンダリングしたい範囲をクリック/ドラッグします。
デフォルトではレイトレース中程度になっていたかと思いますが、仕事向けにはレイトレース最高、さらにテクスチャー品質を高品位さらに詳細設定で最大トレースブロックサイズを1にしましょう。

今回はWEB上でテクスチャーがわかるように若干大きめにマッピングしていますが、半分くらいのサイズのほうがA3に出力した時にはきれいかもしれません。制作したテクスチャーはモデル内では何度でもパレットから使えますが、リソースパレット右上のプラス(+)メニューから保存を選び、STRATAフォルダ(ディレクトリ)/ライブラリ/テクスチャー内に保存するとSTRATA起動時に読み込まれ、どのモデルでも使用できます。テクスチャーフォルダ内に任意の名前のフォルダを作り、オリジナルは分けておくとより便利です。



■09

また、テストレンダリングの画面で窓の外の青空がレンダリングされていますが、これには環境パレットの背景タブのバックで新規/立方体を選んで画像ファイルを読み込んでいます。

後からアルファチャンネルを使って差し替え可能ですが、ガラスや床、什器等に映りこむ部分は後から変更するのは難しいので、あらかじめ近い画像を張り込んでおくと、色の調節などのためにも便利です。映り込みには同じく背景タブの映り込みから先程作成した立方体-1となっているものを選ぶか、新規に作成します。
あまり大きい画像を使うとレンダリング時間もかかるので画面サイズくらいの画像を使用して、背景画像は出力時に高解像度のものを合成するほうがいいでしょう。

この左は映り込み画像なし、右は背景と同じ空を映り込みに設定した状態です。

ただ、後から夕焼けを空に合成しよう等という場合は、青空が写り込んだ床になっていますから、かなり不自然になります。状況を考えて利用しましょう。あったほうがかなりリアルだとは思います。このチュートリアルのトップで紹介している完成画像には映り込み画像は使っていません。使えばもうすこし床が明るくなってよかったかなと思います。



■10

サッシが出来たらカーテンです。

今回は最近流行りのすだれ状のシェードを作ってみました。
とりあえずサッシの内側に直方体を作ってシェイプに登録、「カーテン」などの名前を付けて作業します。え〜現物の写真をお見せできればいいのですが、家にはこんなおしゃれなカーテンはないので、想像してください。完成品はこんな感じです。









■11

メッシュ状の部分はちゃんと透けるようにします。パーツ1個はこうなっています。































■12

上下のリブは円柱オブジェクト、メッシュ部分はベジェラインを押し出し。両サイドのループ部分はスキンモデラーで作成しています。

メッシュ部分はペンツールで適当な弧を書いて押し出します。

ループ部分は円ツールで楕円を書いて複製、真ん中だけちょっとずらしてスキンツールで作成します。










■13

こうして作ったパーツを複製して、下の方だけすこし引き上げた状態に見せるためちょっと回転させてずらして重ねます。

実際とはだいぶ違いますが、けっこうそれっぽく見えます。











■14

テクスチャーは全体にまとめて貼っています。

ベースはデフォルトの麻です。もっと白くしたいので、マップ画像を外して、グローを0.3くらいに設定しました。立方体マッピングで50mm角にしています。ある程度高解像度でレンダリングしないとモアレがひどくなります。画面サイズでレンダリングする場合はもっと大きく、250mm角とかがいいでしょう。。










■15

窓の幅分複製して、部分的に高さを変えています。
現実とは違いますが、単純に拡大縮小ツールで縦方向のみ縮めています。












■16

レンダリングした画像です。
















■17

参考まで、もっと一般的なカーテンです。
まずはまっすぐ下ろしたカーテンです。簡単ですね。

ベジェラインツールでくねくねのラインを書いて押し出しツールで押し出すだけです。リアルにするポイントとしては、カーテン上下端を裾上げしたような形状にするといい感じです。折り返し部分は、カーテン本体の押し出しするベジェラインを一つコピーしておき、円ツールで楕円を書いて、先程のベジェラインを使ってパス押し出しツールで作成します。先程のメッシュ状のテクスチャーを貼りました。アップに耐えるようにUV形式で貼っています。







■18

もう一つ、束ねた感じのカーテンです。

同様のベジェラインをいくつか複製して幅を変えてスキンツールで作成しています。

下端には同様に折り返しを作り、束ねているヒモは円を回転ツールで回転させてちょっと潰しただけです。柄の場合がよくわかるようにUV形式でマッピングしています。チェック模様がちゃんと布沿いになっているのが分かるでしょうか?折り返し部分は別パーツですが、模様が揃うようにカーテンとグループ化してからテクスチャーを貼っています。








■19

カーテン一つで結構雰囲気は変わります。カーペットやラグ、カーテンなど、お好きにコーディネイトしてください。

最初の見本ではカーテンボックスを作っていませんが、通常マンションなら天井を彫り上げるか、垂れ幕のようなカーテンレール隠しがあります。この部分もちゃんと作るとまたいいかもしれません。









■20

さて窓とカーテンが出来たらバルコニーです(バルコニーが先のほうが雰囲気でますね)。

バルコニーは窓の外に見えるだけなので簡単に直方体と、腰壁の笠置を押し出しで、手すりを円柱で作っています。今回は好きな色にしてください。











■21

後半の、演出ライトstep08の項目で水面に反射した光の演出をするために、無理やりバルコニーを浅いプールのようにしました。
モザイクタイルは現物をスキャンしてパターンを作りました。水は水面の写真をグレースケールに変換してバンプに使用しています。遠目にはいい感じです。

だいぶ部屋らしくなりましたね。









いろんなテクスチャーを試しで作っていると、リソースパレットが雑然としてきますね。そんなときはリソースパレット右上の矢印をクリックするとサブメニューがあり、未使用分削除のメニューを選ぶと使っていないものが消えます。一度ではうまくいかない時もありますが、そんな場合は一度保存してモデルを閉じて、もう一度開いて直後に実行してください。

シェイプに含まれている場合等はシェイプタブを選び、未使用分削除してからテクスチャーを削除してください。2〜3度やると消えると思います。モデルを開いた直後に、消えて欲しいシェイプ、テクスチャーを一度クリックしてから未使用分削除、とやるとなぜか消えるような気がしているんですが、なんの根拠もありません。おまじないのようなものです。

また、うまく作れたものは削除する前に同じメニューから保存しておきましょう。偶然うまくいったものなど、すかさず保存しないと2度と作れないなんてことはよくあります。



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