オプション/ガラスブロックの作り方
最初にモデルを作ったときに入れたのですが、あまり重要でないので、後に回しましたが玄関脇の寝室?壁です。
ガラスブロックはあまり頻繁にお目にかかる素材ではありませんが、部分的に明かり取り等に使われますね。ですから、テクスチャの設定はもとより、照明を工夫しないと、それらしく見えません。また、どのくらいアップで見えるのかによってもモデルの作り分けが必要かと思います。今回は寝室のカットもA3で出力する、という程度の見え方に(つまりガラスブロックどアップですね)ぎりぎり耐えるような作り方です。もっときれいに作れると思いますが、この程度でもいいんじゃないかい?というラインだと思ってください。
まずガラスブロックは透明で、波打った水面のような凸凹がついているタイプを想定しました。
■01
STEP10までのモデルをDLしてくださった方は、この状態になっていると思います。(右図)
寝室内は照明入れていないので、暗いですね。モデルもガラスブロックの向こう側はなにもないので、背景の夕焼けそのままですが、素材感としてはまあまあ、いいのではないかと思います。
■02
ガラスブロック壁のモデルですが、右図のように、4個のガラスブロックをシェイプにしています。シェイプ内ではこれらをグループ化してまとめてテクスチャを貼っています。
■03
グループ内は右図のように、立方体オブジェクトのみで、目地モデルとガラスブロック本体に分けています
これは目地部分をちゃんと表現するためなので、アップでなければ不要かと思います。壁全体を普通に作ってテクスチャー適用、という方法でもいけるでしょう。
■04
シェイプ単体でのレンダリングは右上図です。
テクスチャ設定は右下図のようになっています。
目地は白くするために、マップ画像は目地部分白、ガラス部分は薄いブルーにした画像を適用しています。
■05
グローには目地だけを明るく見せるために右図のように白黒の画像を使っています。マップ形式は平面マップです
■06
こういう作り方をすると、影が右図のようになって変だ、という方もいらっしゃるでしょうが、実際、あまり直接光は落ちてきません。主に反射、拡散光になってしまうので、もちろんこれも正しくありません。
■07
というわけでコースティクスマップを使ってごまかします。が、目地をモデリングしているのでそれだけでは不十分で、シェイプに入って、目地オブジェクトを影を落とさない設定に変更します。
かなりのいんちきくささですが、今回はこれでご勘弁を。太陽光が差し込むガラスブロックは勉強不足のようです、、、。
■08
とりあえずテクスチャー設定はこのままで、照明を配置します。玄関に設置したベースライト、反射ダミーライト、DLオブジェクトをまとめてコピーして、4セットスクエアに配置しました。
このままですと、ガラスブロックも壁も変わらないので、やはり、ガラスブロック側からは、若干光が入っているように表現したいですね。ガラスブロックは今回シェイプにしているので、シェイプ内部に外から光が入っているように見せるように光源を設置します。直接光ではなく、外から入って目地に当たった光が反射したような状態です。といっても実際は簡単に、4つのガラスブロックの中央にポイントライトを1個おいただけです
また、入り口のタぺガラスの向こう側が明るいので、ガラス越しに光が来ているように見せるためにドアの向こう側に上向きのスポットライト光源を1個設置しました。ガラスの手前の天井が若干明るくなる程度です。
■09
通路の間接照明のアッパーライトがタぺガラス越しに室内の天井を照らすような設定ですので、影なしにしました。
以上でガラスブロック完成です。
このように、光の透過する素材は、そのもののテクスチャー設定だけでなく、照明の透過する効果も含めて考えなければならないということです。
もちろん、全体に照明の設定をしておけば、それなりに光も透過してきますが、今回のガラスブロックのような、透過、屈折が合わさった素材の場合、レイトレーシングでは表現しきれない部分があります。
また、透過する素材を使う、ということは、光をそこから導き入れたい、という設計意図があるはずです。レイトレだからこうなります、とか CGだから正確です、というような話ではなく、透過する素材を使うことで室内をどのような環境にしたいのか、という設計意図をくみ取れるかどうかが重要です。