STEP01
白い室内の表現




前回、インテリアパース講座 Part1「マンションの部屋を制作/レイトレーシング編」で作成したモデルを使用しましたが、今回はもう少しシンプルに、住宅のリビングという設定です。大きな窓があって外光がたくさん入るようなイメージを作ってみます。



■01

モデルはVector Worksで簡単に作り、読み込みました。











この連載用に作成したモデルデータをここでダウンロードできます。

( 注意 ) 下記のデータは、Vector Works 12.5、STRATA 3D CX 5.5Jで作成されています。

STRATA 3D CX データ

STEP03_01_s3d.zip (23.5MB) <<<ダウンロードする



床にライムストーンを張り、壁天井はオフ白です。ダイニングのテーブルに木を張りました。
サッシはアルミの枠に透明ガラスです。
モデルは窓が南向きという設定で、午後3時くらいなイメージです。
スポットライトを1灯、太陽の光を置きました。











スポットライトの設定は60%で真っ白です。多少影がボケるように、光源半径を大きめの1000mmにしています。また、乱反射する光が窓から入ってくるイメージで、ライトドーム/LD-白いパネルを200%で180度回転させて設定しました。













■02

レンダリング設定は右図のように設定しました。















床のライムストーンがかなり色を拾って全体にベージュですが、基本はいいと思います。
レンダリング時間もこのレベルならば、なんとかなりそうです。(このパソコンはG4/700MHzなので)













■03

ここから、室内の照明を追加します。右の2階天井とダイニングキッチン部にダウンライトを設置します。














このシェイプにはダウンライトの形状もセットになっています。ライトの設定は右図のように設定しました。














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レンダリングするとこのようになります。本当はライトの強さを何度か変更してレンダリングしていますし、ライトには一度電球色に設定してみましたが、昼間のイメージにならないので白に戻しました。

ここまであっさり来ているのではなく、十数回は試しレンダリングをしながら設定値を探しました。一応、念のため(笑)。











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おおまかにはこれでいいと思いますので、もう少し完成に向けて考えます。
右奥から光が射している設定なのでおかしくはないのですが、右の壁面が暗いのが気になります。また、白でもいいのですが、もうちょっと空間に色が欲しいので、壁面に何か素材感のあるものを使いましょう。床面もや家に広いのでリビング用の2階にあがる階段を付けましょう。

その上で、右の壁面にダウンライトで光を足します。吹き抜け天井に設置することになるので、あまり目立たせずに光だけおいちゃいましょう。









右側壁面の灯は、床でなく壁面に光をあてたいので、真下向きの光ではなく、30度くらい斜めに向けたスポットライト光源を使います。データは、私がブティック等のライト用に使用しているシェイプです。光の向きが分かるようにダミーオブジェクトを置いています。












右側の壁面に木の板を張りました。大きくレンダリングした場合に、天井との角に板の小口、目地が出来るように、板は立体のオブジェクトで作ってあります。














ここまでのレンダリング結果はこちらです。壁面を木にしたのでだいぶ落ち着きました。

















■06

最後に窓の外に適当な四角形を置いて、外の写真を貼付けました。太陽光のつもりのライトが影になってしまうので、プロジェクトウインドーで影を落とさない設定にして、テクスチャーはグロー値を0.6にしています。

この画像はSTRATA付属のものでなんとかしようとしたため、ちょっと合っていないですが、ここでグロー値を設定することで、窓際に外部からの反射光を演出出来ます。ライトドームでももちろんいいのですが、今回のように一方向からだけならば、四角に写真を貼付けた背景も簡単で便利です。








ほぼ完成ですが、家具が必要ですね。
















■07

応接セットとダイニングチェアを置きました。窓際のスペースが妙に余ってしまうのでピアノを置いてみました。左手前の階段と応接セットがあるエリアが若干くらいので灯を追加しました。














これで完成形です。画面中のレンダリング時間はちょっと実用にならないですが、Mac Proでなら10分ほどです。このシンプルさではちょっと時間がかかり過ぎですが、白い天井、白い壁、明るい床の組み合わせだと不正なシミが出やすく、あまりレンダリングの各数値を低く設定するのが難しいです。












■08

レンダリング設定は右図のようになっています。レイトレーシング詳細設定で最大反復反射数を4に上げました。














階段の手すりと力げたをクロームメッキにしたため、床との相互のうつり込みで黒くなってしまうためですが、若干計算が遅くなったかもしれません。壁面の板にも映り込みが設定してありますが、これはなくていいかもですね。無くすと10分ちょっとだったのが9分ちょっとに短縮されました。映り込みを一回に設定するとさらに30秒ほど短縮されました。A3に印刷する、と思えばこの5倍くらいのサイズが最低必要かと思われますが、この画質ならMac Proなら9時間ですね、、。ちょっと長過ぎますね。










■09

テクスチャー品質は標準(ほぼ、変わりません)に設定します。その他、右図のように設定します。














上記のように設定するとこのようなレンダリング結果になります。

細かい明暗のディテールは無くなっていますが、この空間のようなシンプルな形状だとあまり違いは目立ちません。
時間は5分を少し切るくらいになりました。ほぼ半分ですね。これならば仕上げにも4時間半くらいですので、なんとか実用に堪えるのではないでしょうか?

プレビューではアンチエイリアスを無しにするとさらに半分の時間で終わりますので、アンチエイリアス無しで作業を進め、仕上げの時だけオンにするのは時間短縮に有効です。








■10

さらに、大きいサイズのレンダリングをする際には、画像のサイズに合わせて、キャッシュスレッシュホールドを大きくしないと同じ結果になりませんし、レイディオシティライティングサンプルも相応に大きく、今回のようにシャドウサンプルが小さい場合はある程度、影にムラができないくらい大きくする必要があるかもしれません。

確率サンプリングにチェックが入っているんで、ごまかせるかもしれませんが。それで白い天井の部分にシミのような影が出る場合は、キャッシュヒット数も増やしましょう。シミが出るのは白い天井の陰影の有る部分なので、その部分のみ仕上げ解像度でレンダリングしてみるといいでしょう。






Shiftキーを押しながら、カメラ(レンダリング)ツールで確認したい範囲をドラッグするとレンダリング設定ダイアログが表示されますので、レンダリングサイズを500%とかに設定して(この場合)確認します。

また、家具を入れる前まではかなり高速でした。この椅子やソファはかなり以前に作成したもので、椅子やソファのパイプがメッシュになっていますが、複雑なメッシュのモデルを読み込むと、レイディオシティではいきなり時間がかかるようになります。家具のある最終形では、10分かかっていましたが、家具無しではMac Proだと6分ほどなので、家具を入れて6分が10分ではちょっと家具の作り方に問題があると思います。

STRATA上で作成し直せばもう少し高速になると思います。





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